宮崎学(作家)

ヤクザは、憲法の埒外の存在である。
基本的人権や法の下の平等を定めた日本国憲法の各条文には「但し、ヤクザを除く」とする但し書きがついているのが現実だ。
本作は、このヤクザと憲法の本質的な関係を切り取り、私たちに問いかける。
ヤクザとは、憲法とは、何なのだろう。

森 達也(映画監督・作家)

あなたは観客席で笑う。
初めて知る事実に驚く。
ドア越しの恫喝に少しおびえる。
子供の写真に思わずほろりとする。
その後に考えてほしい。
なぜ自分たちは、いままで彼らをテレビで見ることができなかったのか。
誰が彼らを不可視にしているのか。

鈴木智彦(フリーライター)

およそ100日、500時間以上の密着撮影で、ヤクザの素を追いかけた作品を他に知らない。
絶滅必須のヤクザを捉えた最後のドキュメントになる可能性もある。
距離感を悩みながら探った制作側のカメラは、偶然、最適の場所に錨を降ろした。
保証する。この作品は百年残る。

水道橋博士

目を背けるか、見届けるか!
ここにテレビ発の危険な映像がある!
コンプライアンス無用!
映画館で見届けよ!

吉原美姫(フリーライター)

「等身大のヤクザの日常」をカメラが追い、日本の憲法の現在(いま)を見せてくれる労作です。ヤクザといってもいろんな人がいること、裏社会と表社会が別世界ではなくメビウスの輪のようにつながっていることもよくわかります。
ていうか、そもそもヤクザはなぜ存在しているのでしょうか。
答えも、この映画の中にあると思います。

※順不同、敬称略